皆さん、こんにちは。工務店サポートセンターの鈴木と申します。よろしくお願いします。
 私たちの提案は、「全建連・地域木造優良(ちきゆう)住宅先導システム国産材モデル」といいます。

国産材100%の「ちきゆう住宅」
 「ちきゆう住宅」というのは、住宅保証機構の特定住宅に認定されている工法で、長期優良住宅の先導事業の提案のベースとなっています。その最大の特徴は国産材を100%使用するということで、構造材と羽柄材は全て国産材です。含水率は25%以下です。

 細かい仕様では、構造材のうち土台は耐久性区分のD1の特定樹種で4寸5分角以上。1階の柱もD1の特定樹種で、柱の径は4寸角以上。3.5寸角はだめです。また、通し柱は土台と同じ4寸5分角以上のものを使うことになっています。構造金物は、Zマーク表示金物同等品を使用します。
 基礎は、耐久性を考慮してコンクリート強度を30N以上とし、現場で抜き取りを行って第三者機関による強度試験も行います。基礎の立ち上がり部分の幅は15cm以上。これは30N以上を使うというのと同じで、かぶり厚を多目に取って耐久性を高めるということです。
 それから、地盤調査と地盤保証をつけます。
 また、CASBEEの評価を義務づけており、2009年度モデルではB+以上、2010年度モデルではAにランクアップしました。
 ここまでが技術的な提案内容で、これからがソフトの面になります。

工務店が工務店を支援する仕組みを確立
 スライドの表紙にJBNと書いてありましたが、Japan Builders Networkの略で、ネットワークの名称です。北米のホームビルダーの全国組織・NAHBをモデルに、全建連の工務店会員を組織化してつくりました。ちょうど先導事業が始まったときにつくったのですが、今は約2,000社の方々がいらっしゃいます。
 その中で、工務店が工務店を支援するための事務局的な役割を果たすためにつくったものが「工務店サポートセンター」です。
 私たちの提案団体は、基本的には先ほど巽先生がおっしゃった工務店同士の連携でやっているネットワーク型になりますので、工務店が工務店のためのサポートをします。
 具体的には、基本的に三つの仕組みで動いています。一つ目は「つくる仕組み」。これは家づくりのためのサポートです。長期優良住宅の申請のサポートなどから始まって、技術支援、業務支援を含めた支援体制を整えています。
 これは工事記録システムです。サポートセンターでシステムをつくって、工事現場で写真を撮ってオンラインで工事記録書に入力できるというシステムを導入しております。

 二つ目は「守る仕組み」ということで、家守りの仕組みです。住宅履歴情報とかリフォームの技術支援などをやっています。
 住宅履歴情報管理システムでは、工務店サポートセンターで「いえもり・かるて」というものをつくって、皆さんに使っていただいています。

 三つ目の「支える仕組み」では、人材育成の支援と経営サポートの支援、さらに様々なセミナーや勉強会を開いて情報提供を行っています。
 また、JBNの中には、「次世代の会」「増改築委員会」「環境委員会」などいくつかの委員会があります。要するにネットワーク型の特徴で自分たちで全部やっているので、各委員会でも工務店が集まって、自分たちで全部つくり上げていくわけです。長期優良住宅以外にも、いろいろな認定制度とか工法認定とかに対応している委員会があります。
 先導事業では、工務店サポートセンターという支援体制を整えているということが評価されました。逆に、多くの工務店が使うことができるように、技術的なところはそれほどハードルを上げているわけではないです。国産材使用のところは少しハードルが上がっていたようですが、皆さん対応していただきました。

各地の国産材を積極的に活用
 最後に事例をいくつか紹介します。最初は宮崎のスギを使った事例で、東京23区内です。屋根には太陽光発電が載っています。

 次が大分のスギを使った事例。提案とは関係ないのですが、以前建っていた建物の小屋の丸太梁を再利用しているという特徴があります。

 これも大分のスギを使った事例です。二世帯住宅になります。

 これは長野のカラマツの集成材を使った事例で、木造3階建ての準耐火の工法になります。燃えしろ設計をした梁を出しています。

 これは先ほどの工事管理システムの事例で、今見ていただいた建物で実際に記入した例です。基礎の写真とか土台の写真とかに説明を付けて1枚1枚つくっていきます。

 これが1軒当たり100枚以上になってしまって非常に大変でした。
 以上です。どうもありがとうございました。(拍手)


※当日の配布資料はこちらでダウンロードできます。

 

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