「ミニ開発」ということばが生まれたのは、1976年である。以来、ミニ開発は除々に増加しつづけ、現在では都市住宅の有力な一典型になったかの観さえある。
  本調査では、「都市住宅の立地・形式に関する研究」の一環として、ミニ開発に関する既住の調査・研究・提言・評論等の文献によるレビューを行った。すなわち、手元に蓄積されていた新聞記事・雑誌記事・報告書などから、次の4件を作成した。

　(1)  ミニ開発関係報告書・新聞記事等の年表
　(2)  ミニ開発関連文献の解題
　(3)  ミニ開発に関する論評の分析
　(4)  ミニ開発に関する既住改善手法提案の紹介と検討

  (1)の年表では、1987年末までのミニ開発論議の展開を大まかにとらえることができ
　　 た。
  (2)の文献解題では、39件の文献について詳細な解題をほどこしたが、ミニ開発に関
　　 する総合的・本質的な研究は、未だ不十分であるとの感覚をえた。
  (3)の論評の分析では、「ミニ開発は悪い」という単純な見解よりも、ミニ開発の
　　 「良さ」ないし「仕方なさ」に対する見方の重要性が示唆された。
  (4)の既住改善手法の提案の検討では、やはり、どれも一長一短があることが指摘
　 　された。