■建築研究資料

1987年千葉県東方沖地震による建築物の被害調査報告

室田  達郎,   緑川 光正,   芳村  学,   山口  修由

建築研究資料  No.65,  September  1988,  建設省建築研究所


<概要>

  本報告は,1987年(昭和62年)12月17日に発生した千葉県東方沖地震による建築物の被害調査の結果をとりまとめたものである。今回の地震のマグニチュードは6.7で比較的小さく,従って,被害も千葉県内におけるものが殆どであった。被害調査は,第1次(1988年〔昭和63年〕1月6日),第2次(同1月19日〜20日)および第3次(同1月22日)に分けて実施した。第1次調査では,全般的な被害概要を把握することを目的とし,千葉県庁で情報を収集するとともに長南町,茂原市を中心とする地域において外観調査および情報収集を行った。第2次調査では,第1次調査の結果に基づき,長南町および茂原市において比較的大きな被害を受けた鉄筋コンクリート造,鉄骨造,木造の被害建物についての詳細な調査を行った。第3次調査では,茂原市において木造住宅の屋根瓦の被害調査を行った。
  調査した建物数は,鉄筋コンクリート造が3棟,鉄骨造が4棟,木造住宅が16棟の計23棟である。これらの調査建物に対して,建設省総合技術開発プロジェクト「震災構造物の復旧技術の開発」の成果物である「建築物の震災復旧技術マニュアル(案)」(1986年〔昭和61年〕3月)に提案されている被災度区分判定調査表による被災度判定を適用した。その被災度判定によれば,鉄筋コンクリート造建物は3棟すべてが中破,鉄骨造建物は4棟のうち中破2棟,小破2棟,木造住宅は16棟のうち破壊1棟,大破1棟,中破5棟,小破8棟,軽微1棟という結果が得られた。


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