■建築研究資料

既存建築ストックの次世代対応リニューアル技術の開発のための
フィージビリティースタディー

 

勅使川原正臣 1)、福山 洋 2)、加藤博人 3)、楠 浩一 3)、高橋雄司 4)、渡辺 一弘 5)、秋山裕紀 5)

建築研究資料  No.99,  2004,  独立行政法人建築研究所


<概要>

 既存建築物に関する現状に鑑み、構造部材・間仕切壁・床等の除去による空間の拡大、耐震を主とする構造性能の向上、および地球環境負荷低減のための長寿命化や廃棄物削減といった社会の要求を同時に、かつ適切に充足するための構造リニューアル技術の開発が求められている。本技術の実現によって、既存ストックの有効活用が促進されると同時に建築に関わる地球環境負荷を大幅に低減することが可能となり、ひいては国家レベルの経済効果と豊かで余裕のある国民生活を実現することが期待される。
 そこで、既存建築ストックの空間拡大・性能向上・環境調和型改修技術の開発のための研究課題を開始するためのフィージビリティースタディーを以下の項目に着目して実施した。

 ・既存建築ストックのリニューアルに対するニーズの調査
 ・長寿命化&空間拡大化&高構造性能化を成立させる解体・改修技術の調査
 ・モデル建物によるリニューアルのイメージとそれに要するコストの試算
 ・研究計画の策定

 本資料では、フィージビリティースタディーでの検討結果を報告するものであり、以下の各章で構成されている。

 第1章では、本研究の背景を通してその必要性、および研究の目的が示されてい
 る。
 第2章では、リニューアルの現状、既存建物ストックの数、2003年問題等の事務所
 ビルを取り巻く問題点、およびリニューアルの実施例が示されている。
 第3章では、次世代対応型のリニューアルに求められる、法令・制度・計画・構造面
 での基本的な考え方が示されている。
 第4章では、事務所ビルおよび集合住宅から集合住宅へリニューアルする場合の
 具体的な計画例および必要な技術と問題点について示されている。さらに、地震リ
 スク分析に基づくリニューアル方法の検討について示されている。
 第5章では、これまでを総括して、重点課題として研究すべき研究テーマとその体
 制について提案している。

 付録には、平成15年〜17年度での研究開発課題説明書が示されている。

 1) 名古屋大学大学院教授(当時、構造研究グループ上席研究員)、
 2) 構造研究グループ上席研究員
 3) 構造研究グループ主任研究員
 4) 住宅・都市研究グループ研究員
 5) 独立行政法人都市再生機構(当時、都市基盤整備公団)


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