■建築研究報告

セメント系部材の押出成形におけるプロセス制御システムの開発

馬場明生*1、守  明子*2、堀口昌利*3、眞方山美穂*4

建築研究報告 No.137,1998  建設省建築研究所


<概要>
  この報告は、都市建設にとって不可欠の材料であるセメント系材料を、初めて機械によって成形することができるようにした新しい成形方式である押出成形技術について取り扱っている。同技術の実践には材料技術と機械技術との効果的な融合が必要であり、ここでは押出成形のための基本的な製造技術を確立することを目的としている。なお、押出成形は以下のような特長を有している。
  1. これまでの成形技術がバッチ式であったのに対して、連続生産方式であり製造工場を自動化するか、省人化率を向上できる。
  2. 機械の活用によって水量の少ないセメント系材料を可能とし、高い曲げ強度と耐久性の同系部材を実現できる。
  3. ダイ開口形状を変化することによって空洞断面など多様な断面の建築部材を製作できる。

  現実の工場生産において、上述の特長を発揮するためには、材料条件と機械条件との多様な組合せ下において機械の操作点を予測する技術が必要となる。
  本研究では、特に、使用する物質並びにその調合割合といった材料条件のみでなく、建築部材の使用目的に応じた適切に設計された断面の建築部材を製造するときにおける製造装置の操作点を予測することに着眼している。

  研究の結果以下の成果が得られた。

  1. 工場の製造設備のプロセス制御におけるランダムアクセスシステムを開発した。
  2. 多様な材料条件および機械条件における操作点の予測が可能となった。
  3. 操作点のオンライン修正技術を提案した。
  4. 多様な材料条件における同システムの適用性を確認した。
  5. 実機における同システムの有効性を検証した。

*1  山口大学  工学部  感性デザイン工学科
*2  通商産業省  工業技術院  九州工業技術研究所
*3  昭和電工株式会社  総合研究所  川崎研究室
*4  建設省  建築研究所  第4研究部


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