■建築研究報告

構造物の動的設計法に関する研究

尾崎昌凡, 松島 豊, 山崎 裕, 石山祐二

建築研究報告  No.71,  1975  建設省建築研究所


<概要>

  現在、超高層建築物等の設計において、動的地震応答設計がなされており、地震波として、エルセントロNSとかタフトEWとかが良く採用されている。しかしながら、これらの地震波はいずれも米国本土で過去に記録された波形であり、これから構造物を建設しようとする地盤の振動特性を代表できるものではない。また、構造物を設計する場合に、過去の地震記録は一応参考となるが、設計される構造物は将来起こり得る地震に対して安全でなければならないので、建設地盤上に将来起こり得る地震動を予測し、その地震動に対して、構造物の応答を予測することが、きわめて重要な問題となる。
  このように、構造物の動的応答予測を行う場合には、現在、超高層建築物の動的解析等に使用されている時系列振動解析法では不十分であり、確率的手法による振動解析手法の方がより適している。この方法は、現在、音響工学、電子工学、航空工学等の分野では使用されているが、構造物の地震応答解析法としては実用化されていない。
  本研究は、確率的手法による振動解析法の理論を発展せしめ、その実用化をはかり、構造物の動的設計手法を確立することを目的としたもので、特に、構造物の大きな塑性領域における非線形応答解析としては、世界に先がけて開発、実用化されたものであり、その妥当性が人工地震波を使用して検討されている。また、本理論による応用例として、鉄筋コンクリートおよび鉄骨鉄筋コンクリート柱部材の耐震性能評価方法が示されている。



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