■建築研究報告

成型時壓力のセメント製板に及ぼす影響について

栗山  寛

建築研究報告  No.9,  昭和26年8月


<概要>

  セメント,纖維物質及び砂の3材料を適當の割合に組合し板状成型して屋根葺,内外壁,或は天井張用建築材料として使用することが多い.大別して纖維セメント板,セメントモルタル板及び纖維セメントモルタル板となる.現に實用されて`る材料には纖維セメント板には石綿スレート,木毛セメント板,セメントモルタル板にはセメント瓦,各種壁板・纖維セメントモルタル板には厚型スレート等があり,其の他3種の木材を適當に組合して性能の異る板を製作し得る.
  之等の板状材料を製作するには型枠流込鑄込法,加壓成型法,振動成型法,叩き込法等種々の方法があるが,板に或程度以上の曲げ強さを興へるためには機械力を應用するか,化學的に特殊處理をしなければならない.現に機械的方法では加壓成型方法が最も一般に廣く用ひられて`る,而してセメントモルタル板の加壓成型については既に別報でその研究結果の一部を報告してある.こゝには纖維セメント板及び纖維セメントモルタル板の加壓成型に關する研究結果を報告する,尚本報告には纖維として石綿を用ひた場合を取扱った.
  本研究はセメント,砂及び石綿の成分を組合して得られるセメント製板の加壓成型時壓力の影響についての實驗結果で,本報告は第1實驗と第2實驗の結果を收録したが,第1實驗はむしろ別報を含めた本一通の研究の豫備實驗的性格をもつものである.
  本研究にあたり,東京工業大學教授工學博士狩野春一氏の御指導と助手石神武男君の協力を得,又試驗体製作及び各種測定には助手中田進康君並びに日本大學々生石黒勝及び板橋光兩君の協力を得た,研究費は文部省科學試驗研究費に仰いだ,記して感謝の意を表する.

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