■建築研究報告

鉄筋コンクリート構造物の耐久性に関する研究  
−主として鉄筋の腐食と防食を中心として−

樫野  紀元

建設研究報告  No.90,  1980  建設省建築研究所


<概要>

  一般に建築物の耐久性は、建築物の安全性はもとより経済性、居住性等に大きな影響を与えるので、極めて重要な性能である。建築物の耐久性は、設計、材料、施工、環境条件等により左右される。
  鉄筋コンクリート構造物の場合は、一般環境下では、コンクリートの鉄筋に対する保護能力が保持されている限り、構造上の安全が確保され、耐久性が期待できると考えられている。通常は、コンクリートの中性化が主筋の位置まで進行した時点を耐久限界としており、この点については、古くから多くの研究や調査が行われてきた。しかしコンクリートの鉄筋に対する保護能力は、中性化の現象だけではなく、コンクリートの通気性状や混入塩分、ひびわれ、施工条件、環境条件に対する対応のしかたなどによっても左右されるものである。鉄筋コンクリート構造物の耐久性向上策を設定するためには、中性化の現象に基盤をおいたこれまでの研究を拡大発展させ、これら諸条件について総合的に検討する必要がある。
  本報告は、以上の観点に基づき、鉄筋コンクリート構造物の耐久性向上のための、基本的かつ具体的な資料を提供することを目的として、建研入所以来今日まで実施した一連の研究をまとめたものである。



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