A 4706:2000
改正 2000
制定 1966

サッシ

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1. 適用範囲 この規格は、主として建築物の外壁の窓として使用するサッシについて規定する。ただし、天窓は除く。

備考 この規格で規定するサッシとは、JIS A 0005に規定される1種開口部構成材として規定するもので、あらかじめ枠と戸が製作・調整されていて、現場取付けに際して1個の構成材として扱うことができるものをいう(はめころしを含む。)。

2. 引用規格 付表1に表す規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は、その最新版(追補を含む。)を適用する。

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は、次による。

a) 枠 戸などを取付ける開口部材に接するもの。

b) 戸 サッシの可動部分。扉、障子などの総称。

c) スイング 主に枠の面外に戸が移動する開閉形式。

d) スライディング 主に枠の面内を戸が移動する開閉形式。

e) 二重サッシ 戸が、内外二重に設けられているサッシで、あらかじめ二重サッシとして設計・製作されたものに限定する。一重サッシとして設計・製作されたものを現場取付けで二重にしたものは含まない。

f) 召合せかまち 引違い・片引きなどの戸が閉鎖時に重なり合う部分に用いられているかまち。

g) 突合せかまち 戸と戸が突き合う状態になる部分に用いられているかまち。

h) 召合せ中骨 片引きなどの枠内にあって、はめころし部の召合せ部材。

i) 中骨 はめころし部のガラスなどを仕切る部材。

j) 中桟 戸の内で、ガラスなどを仕切る部材。

4. 種類、記号及び等級 サッシの種類、記号及び等級は、次による。

a) 性能による種類及び記号 性能による種類及び記号は、表1及び表2による。

b) 性能項目による等級 性能項目による等級は、表3による。

5. 性能 性能は9.によって試験を行い、表4の規定に適合しなければならない。


6. 構造 構造は、次による。

a) 枠及び戸の各部材の接合 枠及び戸の各部材の接合は強固で、人の触れる部分は、平滑で、安全性を考慮した構造とする。

b) サッシに用いる附属部品 サッシに用いる附属部品は、それぞれの役目を果たすのに十分な強さをもち、取替え又は補修が可能な構造とする。

7. 寸法

7.1 サッシの幅及び高さ

7.1.1 枠の内のり寸法 サッシの枠の内のり寸法は、付図1に例示するようにW、Hで示す。

7.1.2 寸法の呼び 幅及び高さ寸法の呼びは、寸法をo単位で表したときの頭2けたの数値を、幅及び高さの順に並べた4けたの数値とする。この際に、寸法が1000o未満のときは頭に0を付けて4けたに整える。

例1. 幅   840o─┬─呼び 0812
高さ 1210o─┘

例2. 幅  1700o─┬─呼び 1713
高さ 1300o─┘

7.2 サッシ枠見込寸法の呼び 枠見込寸法の、呼びは10o未満の端数を切り捨てた数値とする。

例1. 枠見込寸法  73o 呼び  70

例2. 枠見込寸法 120o 呼び 120

7.3 寸法公差 サッシの製品(完成品)に対する寸法公差は、表5による。

8 材料 サッシの主な部分に用いる材料は、表6に示す材料又はこれと同等以上の品質をもつものとし、それぞれの機能を果たすのに十分な強さをもち、かつ、接触腐食又は化学変化を起こさないもの、若しくは防せい処理を施したものとする。
 なお、木材は、含水率15%以下の乾燥剤として、見えがかり部分には、使用上有害な節、腐れ、材面における欠け、穴、入り皮などの欠点があってはならない。

9. 試験

9.1 開閉力試験 開閉力試験は、JIS A 15195.4.1(開き力確認試験)、及び同規格の5.4.3(閉じ力確認試験)による。

9.2 開閉繰り返し試験 開閉繰り返し試験は、JIS A 1550による。

9.3 耐風圧性試験 耐風圧性試験は、JIS A 1515による。試験手順は同規格の6.4a)変形試験とする。圧力段階は、最高圧力(P1)を4等分した圧力で順次加圧する。
 なお、予備加圧は(P0)は500Paとし、最高圧力(P1)は、表4に示す耐風圧力の等級のうち、該当するものに読み替えるものとする。

備考 二重サッシは、原則として、内サッシ、外サッシの同時測定とし、外サッシの測定点は、内サッシの測定点を室内側部から透視した位置とする。

9.4 気密性試験 気密性試験は、JIS A 1516による。このとき試験圧力(Pmax)は、正圧100Paとする。通気量は建具面積の平方メートル当たりで表し、建具面積は、サッシの枠の内のり寸法によって求める。

9.5 水密性試験 水密性試験は、JIS A 1517による。表示圧力差は中央値とする。

9.6 戸先かまち強さ試験 戸先かまち強さ試験は、JIS A 1522による。

9.7 遮音性試験 遮音性試験は、JIS A 1416による。ただし、次の規定を追加する。

a) 試験体 試験体は、使用状態に組み立てられた完成品とする。

b) 試験体取付枠 試験体取付枠は、次の条件によるものとする。

1) 試験体は、通常の施工状態に準じた構造とする。

2) 試験体取付枠の構造は、各測定周波数において透過する音響エネルギーが少なくとも試験体を透過する音響エネルギーより、10dB以上低くなるような遮音性能をもつ材料で構成する。

3) 木造住宅用サッシの試験体取付枠は、サッシの枠の四周を木枠に固定できる構造とする。

c) 試験体用ガラス 実際に使用が予定されているガラスを用いる。ガラスが特定されていない場合は、仕様に定められるもののうち、遮音性能上最も不利なガラス構成とする。

d) 試験体の取付け 試験体又は試験体取付枠は、水平、垂直を正しく、かつ、ねじれ、曲がりのないように試験装置開口部の中央に取り付ける。試験装置開口部と試験体又は試験体取付枠とのすき間は、十分な遮音性のある材料、例えば、油土などを詰めて、すき間から音が透過しないようにする。

e) 試験環境 JIS A 15133.3(試験環境)に規定する標準状態とする。ただし、受渡当事者間で協定のある場合は、それによる。

f) 音響透過損失の表示 音響透過損失は、JIS Z 8401に従って整数で表示する。
 なお、側路伝搬補正は省略してもよい。

g) 試験体面積の押さえ方 音響透過損失を算出するための試験体面積の押さえは、図3による。
 なお、原則として室内側仕上面とする。

9.8 断熱性試験 断熱性試験は、JIS A 4710による。

10. 検査

10.1 形式検査 形式検査は、新規の設計による製品及び部品などの改良によって性能に影響があるとみなされる製品を対象として、表7及び表8の項目について、5.7.の規定に合格しなければならない。

10.2 受渡検査 受渡検査は、既に形式検査に合格したものと同じ設計製作による製品の受渡しに際して、構造及び寸法について行い、6.及び7.の規定に合格しなければならない。
なお、受渡当事者間の協議によって、製作完了時に行われた製品検査の証紙、検印、記録などの確認で、これに替えることができる。

11. 製品の呼び方 製品の呼び方は、次の順序による。

a) 寸法の呼び

b) 性能による種類の記号

c) 各性能の等級を耐風圧性(2)、気密性、遮音性、断熱性の順に括弧内に並べたもの。

備考 性能による種類において、防音サッシと断熱サッシの両性能をもつものは、thと連呼すること。

12. 表示 製品には、次の事項を表示しなければならない。ただし、寸法の呼びは省略してもよい。

a) 寸法の呼び

b) 性能による種類又は記号

c) 各性能の等級

d) 製造年月又は、その略号

e) 製造業者名又は、その略号

13. 取扱い上の注意事項及び維持管理の注意事項 取付方法などの取扱い上の注意事項、及び維持管理の注意事項を添付しなければならない。
 注意事項の例を次に示す。

例1. サッシの施工に関する注意事項

例2. 附属部品の調整方法及び取付位置(ただし、現場取付けの場合だけ)

例3. サッシ部材の手入れ方法

例4. サッシ部材の腐食又はさびの発生に対する処置