国際協力活動                (Last Update: 2026年06月22日)

 日本の国際的地位と科学技術水準の向上に伴い、建築研究所でも国際共同研究や独立行政法人 国際協力機構(JICA)を通じた開発途上国に対する技術援助などを実施しています。
 建築研究所における国際協力活動の歴史は古く、国際地震工学センターでは1962年以来多くの研修生を受け入れ、地震学・地震工学・津波防災に関する研修を実施してきました。また、1962年のイラン地震から始まり、直近では2025年のミャンマー地震に至るまで数々の地震被害に関する調査および技術協力を実施してきました。


国際研究機関関連  ■共同研究・研究協定  ■海外派遣・受入れ等交流  ■技術援助


 ■ 国際研究機関関連



 科学技術分野の研究機関にとって、科学技術情報の的確な把握と分析は研究計画を策定する上で極めて重要です。建築研究所は、従来から国内の関連研究機関や大学との研究協力、学会活動による研究交流に努めてきました。
 一方、海外の関連機関との研究活動および情報交換も活発に行っています。例えば、各国の研究機関が集まり、情報交換や研究交流の実施を目的とした国際的な組織がありますが、建築研究所でもこれらの組織に積極的に参画しています。
 建築研究所が定期的に参加し、活動を行っている国際組織についての概要を以下に示します。

(1)RILEM(建築材料・構造に関わる国際研究機関・専門家連合)

 RILEMは建築材料・構造分野の研究交流を目的として1947年に設立されました。建築研究所は日本の主要メンバーとして毎年開かれるRILEMの総会に出席しています。また、建築研究所の役職員は種々の技術委員会に参加して、RILEMの活動に貢献しています。
 日本国内のRILEM会員相互の連絡協調をはかり、RILEM諸活動の円滑な運営、発展に寄与することを目的としてRILEM国内連絡会が設立されており、建築研究所は中心的な役割を果たしています。

(2)ISO(国際標準化機構)

 ISOは物質およびサービスの国際交換を容易にし、知的、科学的および経済的活動分野における国際間の協力を助長することを目的として、1947年に設立された国際的な標準規格を策定するための国際機関です。電気分野を除くあらゆる工業分野の規格を制定しています。2015年現在で161カ国が参加しています。建築研究所の職員は建築分野に関連した種々のTC(TechnicalCommittee)に参加しています。

(3)FORUM(火災研究国際共同フォーラム)

 FORUMは1991年に発足した火災研究を主として実施している各国研究機関の代表者による国際研究推進組織です。建築研究所も火災研究を推進している世界の主な研究機関の一つとしてFORUMの設立当初から参加しています。
 市場・貿易競争の地球規模化、国際基準の標準化推進、国立研究機関の民営化などの動き中で、発足以来、毎年各研究機関の火災研究責任者が集まり、国際共同による火災研究の推進方策を打ち出してきました。
 建築研究所の職員も、火災研究を推進している主要な研究機関として毎回参加しています。

(4)IEA(国際エネルギー機関)

 IEAは石油危機後の供給不安を背景にアメリカの提唱により1974年に設立された、先進石油消費国の国際機関(本部はパリ)です。加盟国は日本を含む29ヶ国(2016年現在)です。当初、OECD(経済開発協力機構)の下部組織でしたが、財務的・人的にOECDから独立した機関として活動しています。
 IEA組織はその目的に応じて5つの常設作業部会から構成されており、建築とコミュニティーシステムにおける省エネルギー研究開発部会として位置づけられたECBCSは現在まで69の作業部会(Annex)を設立して、国際省エネルギー研究を先導してきました。
 建築研究所の職員も

  • Annex41:建築物における熱・空気・湿気の移動
  • Annex43:シミュレーションの検証
  • Annex44:統合的建築概念
  • Annex45:省エネルギー照明
  • Annex57:建築物の建設に伴うエネルギー消費及び二酸化炭素排出量の評価

 などに参加しています。

(5)IPRED(建築・住宅地震防災国際ネットワークプロジェクト)

 IPREDはUNESCOの提唱の下、国土交通省の支援を受けて、日本を含む地震防災関係の研究機関が参加するプロジェクトです。建築・住宅分野における地震防災研究・研修の国際的なネットワークの構築、地震防災にかかるデータベースの作成及び地震後の地震被害調査体制の整備を推進することなどを目的としており、建築研究所国際地震工学センターは、このプロジェクトのCOEとなって、ネットワークの構築にむけてのアドバイスを行っています。

(6)その他の国際会議、調査等

 上記の国際研究機関への参加以外にも建築研究所が実施する国際研修、国際共同研究、技術協力、国際研究集会への参加は極めて多岐に渡っています。 詳細は年報内の「国際協力活動」を参照ください。  

(7)CIB(建築研究国際協議会)

 CIB(仏語 Conseil International du B?timent / 英語 International Council for Building)は、 建築・建設部門の政府系研究機関の国際的な研究協力及び情報交換の活性化と促進を目的とする団体として、 関連する技術分野の研究機関を中心に1953年に設立されました。
 日本では、国内のCIB会員相互の連絡協調を図り、CIB諸活動の円滑な運営、発展に寄与することを目的として、  CIB連絡協議会(CIB Domestic Council of Japan)を1975年2月に設立し、活動を続けてきました。
 また、CIB連絡協議会の事務局である国立研究開発法人建築研究所は、2012年春にCIBの日本事務局(Japan CIB Office)にも位置付けられ、日本におけるCIB活動をサポートしてきましたが、2020年末日をもって解散いたしました。


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 ■ 共同研究・研究協定                      (Last Update: 2026年06月22日)


 海外の研究機関と協定に基づき共同研究を実施するとともに、両者間で情報交換、研究集会等を行っています。その代表的なものとしてUJNRがあります。それ以外にも二国間科学技術協力協定や国際研究協力協定に基づいた多岐にわたる共同研究を実施しています。

(1)UJNR(天然資源の開発利用に関する日米会議)

天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)は、1964年、東京で開催された日米貿易経済合同委員会において、天然資源に関する情報、技術資料、専門家や研究材料の交換等の日米両国の協力により、その効率的な開発と利用を図ることを目的として設置が決定しました。
 建設分野では、UJNRの各部会のうち、耐風・耐震構造専門部会(幹事:国立研究開発法人土木研究所)、防火専門部会(幹事:国立研究開発法人建築研究所)、地震調査専門部会(幹事:国土交通省国土地理院)を開催しています。

耐風・耐震構造専門部会

 UJNRの専門部会として1969年に第1回合同部会が東京で開催され、以後、日米交互に開かれています。相手側機関は米国国立標準技術研究所(NIST)です。部会の目的は、両国で行われてきた構造物の耐風耐震設計法の研究成果に関する意見交換、設計基準を改正する上での問題点に関して実施された調査研究成果の交換、強風、強震、津波と高潮により生じる災害から人命および財産の損失を防止するための総合的対策、技術分野の開拓などです。建築研究所からは多数の職員が会議に出席しています。

防火専門部会

 UJNRの専門部会として1976年にワシントンで第1回合同部会が開かれ、以後、日米交互に開催されてきました。相手側機関は米国国立標準技術研究所(NIST)です。部会の目的は建築火災および建築と材料等の燃焼による人的、物的被害を防止し、ひいては公共の福祉増進に資することにあります。建築研究所からは多くの職員が会議に出席しています。

地震調査専門部会

 当初、地震予知技術の開発を目的としていましたが、後に地震発生過程の基礎研究やリアルタイムの地殻活動監視技術等にも課題を広げたため、1996年9月に当初の「地震予知技術専門部会」から「地震調査専門部会」に名称を変更しました。相手側機関は米国地質調査所(USGS)です。地震災害の被害軽減に資することを目的に、研究者の交流、観測機器の開発、観測手法の研究および観測データの交換等に関する共同研究を実施しています。

(2)海外の研究機関等との研究協定

 建築研究所は、海外の研究機関等との研究協力を適切に推進するため、研究協力協定を締結しています。


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 ■ 海外派遣・受入れ等交流                    (Last Update: 2026年06月22日)


(1)海外派遣等

 科学技術庁在外研究員制度(平成12年度まで)、国立研究開発法人建築研究所研究派遣規程、外国研究機関等からの招聘制度他により、海外派遣をおこなっています。

(2)外国人受入研究員

 外国人研究者招聘制度等による招聘、外国政府等負担による外国人研究員の受け入れを実施しています。

(3)見学者

 外国の企業・大学・研究機関等からの施設見学を受け入れております。 詳細は年報内の「海外からの建築研究所来訪者」を参照ください。お申込みはお問い合わせフォーム からお願いします。


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 ■ 技術援助


(1)国際研修(主にJICAより受入)

a)集団研修および地域別研修(国際地震工学センターによる研修)

 国際地震工学センターでは、ほぼ1年間の研修(通年研修コース)と、約2ヶ月間のテーマや対象国を定めた研修である「セミナーコース」を実施しています。また、これも約2ヶ月間の「グローバル地震観測コース」研修も実施しています。更に、要請に応じて開発途上国から研究者を個別に受け入れる研修を並行して実施しています。これらの研修をあわせて国際地震工学センターでは2016年3月までに、延べ100ヵ国1,714名の研修生を受け入れて来ました。
  1. 通年研修コース
     現在、「地震学コース」、「地震工学コース」、「津波防災コース」に分かれて実施しています。2016年3月までに、延べ81ヵ国1,121名の研修生を受け入れて来ました。
     なお、2005〜2006年のコースから、政策研究大学院との連携により修士号を授与しています。
  2. セミナーコース
     平成21年〜24年には、四川大地震(平成20年)に対する日本政府の復興支援策の一つとして中国耐震建築研修を実施しました。2ヶ月間の研修は中国語で実施され、4年間で72名の研修生がIISEEで構造技術について学びました。これらの研修生は帰国後324人の地方のエンジニアに講義を行い、さらに、それらのエンジニアが、8,833人の地方の専門技術者に技術指導を実施しました。
     平成26年6月からは、地震災害が頻発する中南米地域を対象にして、指導言語としてスペイン語を用いた中南米地震工学コースを実施しています。2016年3月までに、延べ6ヵ国30名の研修生を受け入れて来ました。
  3. グローバル地震観測研修
     このコースは、平成7年、外務省からの要請によって開始され、核軍縮に対する日本政府の国際貢献策として、気象庁、国際協力事業団(JICA)の協力の下に実施しています。研修生は、核実験禁止条約(CTBT)や国際監視制度(IMS)において重要な役割を担います。講義では、核実験探知や地震に必要な地震観測技術、自然地震と核実験を識別するデータ解析技術を修得します。2016年3月までに、延べ70ヵ国208名の研修生を受け入れて来ました。
  4. 個別研修
     高い学識と専門的経験のある研修生を対象とした研修です。研修生は、IISEEの指導者と共に研修生自身のテーマにそった研究を個別に実施します。 2016年3月までに、延べ55カ国283名の研修生を受け入れて来ました。

b)地域別研修

 2009年から2011年まで、JICAと連携して約8週間の「建築環境技術研修」を毎年開催し、インドネシア、サモア、中国及びベトナムからの研修生を対象に、建築環境設計の基礎知識や建築研究所が開発した蒸暑地域向け省エネ住宅設計技術などの普及を図りました。

c)その他の研修生受入

 JICA課題別研修「建築防災(地震、津波、火災、台風等に対して)」の研修カリキュラムの一部を建築研究所で担当し、2012年から2015年に、延べ18ヶ国52名の研修生を短期に(3日間)受け入れました。

(2)海外地震被害調査および復旧技術協力等

 建築研究所は、1962年より、世界各国で地震被害調査や復旧技術協力を実施してきました。メキシコ地震(1985年)などの大規模災害では多数の職員を派遣し、被害調査や復旧支援に大きく貢献しました。 また、国際緊急援助隊としての派遣のほか、各国で耐震基準策定や専門家育成、防災センター設立など、多面的な技術協力 を行ってきました。 協力内容は、強震観測、耐震技術の研究、研修・普及、人材育成など多岐にわたり、各国の防災能力向上に寄与しています。

建研スタッフによる構造解析の指導

アドベ造(日干しレンガによる組積造)の構造実験



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