1.アイディア募集の背景建設廃棄物は産業廃棄物全体の排出量の約割を占めており、最終処分場の残余容量もわずかになっている状況から、廃棄行為そのもののあり方が問われています。また、不法投棄量の多くを建設廃棄物が占めており、その中で木造住宅解体時に発生する廃棄物が増加要因の一つといわれています。一方、建築系建設廃棄物は他分野の廃棄物に比べて廃棄物中に様々な種類のものが含まれる可能性が高く、混合廃棄物の排出量が多くなる傾向にあります。また、解体処理に絡む要因も複雑で再資源化の取り組みが遅れており、その対策が重要な課題となっています。品目別では、建設発生木材、建設汚泥、建設混合廃棄物の再資源化率が低迷しており、特に建設発生木材と建設混合廃棄物の中に木造建築物由来の廃棄物が多く含まれていることは大きな問題といえます。このような状況を改善すべく、平成12年5月に「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」が公布され、コンクリート、アスファルト、木材が特定建設資材に定められ、分別・再資源化が義務づけられています。特定建設資材については平成22年において目標とする再資源化等の率が95%と定められており、再資源化を促すための関連技術を早急に整備する必要が生じています。 独立行政法人建築研究所では研究開発プロジェクト「木造建築物の再資源化・資源循環化技術の開発」を実施しています。この研究プロジェクトでは、木造建築物から発生する解体材の再資源化率を向上させるための技術開発を目指し、解体材の分別・再資源化が容易な木造建築物の設計技術についての研究開発を行っています。資源循環型社会の構築に貢献するためには、木造建築物をどのように設計したらよいか、どのようにすれば解体材の分別と再資源化が行いやすくなるか提案してゆきたいと考えております。 |
2.アイディア募集の趣旨 本提案募集は、研究開発プロジェクト「木造建築物の再資源化・資源循環化技術の開発」の研究の一環として行われるものです。解体・分別が容易な木造建築物に関するアイディアを提案していただきたいと思います。例えば、部材をリユースしやすい構法、素早く分別できる構法、木材がきれいに取り出せる構法などについての提案をいただきたいと考えております。 |
3.実施主体 |
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主 催: | 独立行政法人建築研究所 | |
後 援: | 国土交通省(予定) | |
社団法人住宅生産団体連合会(予定) | ||
社団法人全国解体工事業団体連合会(予定) | ||
事務局: | 財団法人日本建築センター |
4.募集の内容解体時における解体材の分別に配慮した木造建築物に対するアイディアを募集します。募集の内容は以下のとおりです。提案するアイディアについては、解体・分別しやすいことが最優先課題ですが、施工しやすいことにも配慮して下さい。また、解体・分別した解体材がリユース・リサイクル・処分しやすいことにも配慮して下さい。 |
<募集の内容> | ||
次にあげるもののいずれか、もしくは組み合わせたものとします。 | ||
(1) | 建物全体に関する提案 | |
(例えば) 解体・改築計画システム など | ||
(2) | 建物を構成する部位に対する提案 | |
(例えば) 解体・分別しやすい壁・床・小屋・基礎 など | ||
(3) | 建物を構成する部材・接合部に関する提案 | |
(例えば) 取り外しやすい接合部、取り外しやすく再使用できるパネル、容易に分解でき再使用できるプレキャスト基礎部材 など | ||
(4) | 仕上げの接合方法に対する提案 | |
(例えば) 構造躯体を損傷することなく容易に取り外せる仕上げ材の留め付け方法 など |
これらの募集内容について、以下の2部門の募集を行います。 【部門1】 解体・分別容易な木造建築物に対するアイディアを提案する部門 (アイディア提案部門) 【部門2】 解体・分別容易な木造建築物を試作し、解体・分別のしやすさを検証する部門 (アイディア実証部門) 応募されたアイディアの取り扱いは部門1と部門2で異なりますので、両部門の募集内容を十分に理解した上で、応募する部門を決めて下さい。同じアイディアを部門1と部門2の双方に応募することも可能です。賞の設定は部門1のみですので、部門2に応募される方で、提案アイディアを賞の選定対象としたい場合には、部門2と部門1の双方に応募してください。 |
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