〔平成12年5月31日建設省告示第1458号〕
建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第82条の5の規定に基づき、屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を次のように定める。
1 建築基準法施行令(以下「令」という。)第82条の5に規定する屋根ふき材及び屋外に面する帳壁(高さ13mを超える建築物(高さ13m以下の部分で高さ13mを超える部分の構造耐力上の影響を受けない部分及び1階の部分又はこれに類する屋外からの出入口(専ら避難に供するものを除く。)を有する階の部分を除く。)の帳壁に限る。)の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準は、次のとおりとする。
一 次の式によって計算した風圧力に対して安全上支障のないこと。
W=q Cf
この式において、W、q及びCfは、それぞれ次の数値を表すものとする。
q=0.6Er2V02
|
二 帳壁にガラスを使用する場合には、第一号の規定により計算した風圧が、当該ガラスの種類、構成、板厚及び見付面積に応じて次の表ににより計算した許容耐力を超えないことを確かめること。
単板ガラス及び合わせガラス | P={300k1k2/A}(t+t2/4) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
複層ガラス | 構成するそれぞれのガラスごとに上に掲げる式を適用して計算した値のうち、いずれか小さい数値 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この式において、P、k1、k2、A及びtは、それぞれ次の数値を表すものとする。
|
2 屋根ふき材に対するピーク風力係数は、次の各号に掲げる屋根の形式に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより計算した数値とする。
一 切妻屋根面、片流れ屋根面及びのこぎり屋根面 イに規定するピーク外圧係数(屋外から当該部分を垂直に押す方向を正とする。以下同じ)からロに規定するピーク内庄係数(屋内から当該部分を垂直に押す方向を正とする。以下同じ)を減じた値とする。
イ ピーク外圧係数は、正の場合にあっては次の表1に規定するCpeに次の表2に規定するGpeを乗じて得た数値とし、負の場合にあっては次の表3に規定する数値とする。
ロ ピーク内圧係数は,次の表6に規定する数値とする。
二 円弧屋根面 イに規定するピーク外圧係数からロに規定するピーク内庄係数を減じた値とする。
イ ピーク外圧係数は、正の場合にあっては次の表4に規定するCpeに次の表2に規定するGpeを乗じて得た数値とし、負の場合にあっては次の表5に規定する数値とする。
ロ ピーク内圧係数は次の表6に規定する数値とする。
三 独立上家 平成12年建設省告示第1454号第3に規定する風力係数に、当該風力係数が零以上の場合にあっては次の表2に、零未満の場合にあっては次の表7にそれぞれ規定するGpeを乗じて得た数値とすること。
表1 切妻屋根面、片流れ屋根面及びのこぎり屋根面の正のCpe
θ | 10度 | 30度 | 45度 | 90度 |
Cpe | 0 | 0.2 | 0.4 | 0.8 |
この表において、θは、表3の図中に掲げるθとする。また、この表に掲げるθの値以外のθに応じたCpeは、表に掲げる数値をそれぞれ直線的に補間した数値とし、θが10度未満の場合にあっては当該係数を用いた計算は省略することができる。 |
表2 屋根面の正圧部のGpe
H | (1) | (2) | (3) |
地表面粗度区分 | 5以下の場合 | 5を越え、40未満の場合 | 40以上の場合 |
T | 2.2 | (1)と(3)とに掲げる数値を直線的に補間した数値 | 1.9 |
U | 2.6 | 2.1 | |
V及びW | 3.1 | 2.3 | |
この表において、Hは、建築物の高さと軒の高さとの平均(単位 m)を表すものとする。 |
表3 切妻屋根面、片流れ屋根面及びのこぎり屋根面の負のピーク外圧係数
θ | 10度以下の場合 | 20度 | 30度以上の場合 |
部位 | |||
の部位 | -2.5 | -2.5 | -2.5 |
の部位 | -3.2 | -3.2 | -3.2 |
の部位 | -4.3 | -3.2 | -3.2 |
の部位 | -3.2 | -5.4 | -3.2 |
この表において、部位の位置は、次図に定めるものとする。また、表に掲げるθの値以外のθに応じたピーク外圧係数は、表に掲げる数値をそれぞれ直線的に補間した数値とし、θが10度以下の切妻屋根面については、当該θの値における片流れ屋根面の数値を用いるものとする。 | |||
この図において、H、θ及びa'は、それぞれ次の数値を表すものとする。
|
表4 円弧屋根面の正のCpe
f/d | 0.05 | 0.2 | 0.3 | 0.5以上 |
h/d | ||||
0 | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.6 |
0.5以上 | 0 | 0 | 0.2 | 0.6 |
この表において、f、d及びhは、表5の図中に規定するf、d及びhとする。また、表に掲げるf/d及びh/d以外の当該比率に対応するCpeは、表に掲げる数値をそれぞれ直線的に補間した数値とし、f/dが0.05未満の場合にあっては、当該係数を用いた計算は省略することができる。 |
表5 円弧屋根面の負のピーク外圧係数
の部位 | -2.5 |
の部位 | -3.2 |
この表において、部位の位置は、次図に定めるものとする。 | |
この図において、H、d、h、f及びa'は、それぞれ次の数値を表すものとする。
|
表6 屋根面のピーク内圧係数
閉鎖型の建築物 | ピーク外圧係数が0以上の場合 | -0.5 |
ピーク外圧係数が0未満の場合 | 0 | |
開放型の建築物 | 風上開放の場合 | 1.5 |
風下開放の場合 | -1.2 |
表7 独立上屋のGpe(平成12年建設省告示第1454号第3に規定する風力係数が0未満である場合)
の部位 | 3.0 |
の部位 | 4.0 |
この表において、部位の位置は、次図に定めるものとする。 | |
この図において、θ及びa'は、それぞれ次の数値を表すものとする。
|
3 屋外に面する帳壁に対するピーク風力係数は、第一号に規定するピーク外圧係数から第二号に規定するピーク内圧係数を減じた値とする。
一 ピーク外圧係数は、正の場合にあっては次の表8に規定するCpeに次の表9に規定するGpeを乗じて得た数値とし、負の場合にあっては次の表10に規定する数値とすること。
二 ピーク内圧係数は、表11に規定する数値とすること。
表8 帳壁の正のCpe
Hが5以下の場合 | 1.0 | |
Hが5を超える場合場合 | Zが5以下の場合 | (5/H)2α |
Zが5を超える場合 | (Z/H)2α | |
この表において、H、Z及びαは、それぞれ次の数値を表すものとする。
|
表9 帳壁の正圧部のGpe
Z | (1) | (2) | (3) |
地表面粗度区分 | 5以下の場合 | 5を超え、40未満の場合 | 40以下の場合 |
T | 2.2 | (1)と(3)とに掲げる数値を直線的に補間した数値 | 1.9 |
U | 2.6 | 2.1 | |
V及びW | 3.1 | 2.3 | |
この表において、Zは、帳壁の部分の地盤面からの高さ(単位 m)を表すものとする。 |
表10 帳壁の負のピーク外圧係数
H | (1) | (2) | (3) |
部位 | 45以下の場合 | 45を超え、60未満の場合 | 60以上の場合 |
の部位 | -1.8 | (1)と(3)とに掲げる数値を直線的に補間した数値 | -2.4 |
の部位 | -2.2 | -3.0 | |
この表において、部位の位置は、次図に定めるものとする。 | |||
この図において、H及びa'は、それぞれ次の数値を表すものとする。
|
表11 帳壁のピーク内圧係数
閉鎖型の建築物 | ピーク外圧係数が0以上の場合 | -0.5 |
ピーク外圧係数が0未満の場合 | 0 | |
開放型の建築物 | 風上開放の場合 | 1.5 |
風下開放の場合 | -1.2 |