航空機騒音に係る環境基準について

(昭和48.12.27 環境庁告示第154号)
改正 平5環告91

公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく騒音に係る環境上の条件のうち、航空機騒音に係る基準について次のとおり告示する。
 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環境上の条件につき、生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい航空機騒音に係る基準(以下「環境基準」という。)及びその達成期間は、次のとおりとする。

第1  環境基準

1  環境基準は、地域の類型ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型をあてはめる地域は、都道府県知事が指定する。

地域の類型 基準値(単位 WECPNL)
T 70以下
U 75以下

(注) I をあてはめる地域は専ら住居の用に供される地域とし、II をあてはめる地域は I 以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域とする。

2  1の環境基準の基準値は、次の方法により測定・評価した場合における値とする。

(1) 測定は、原則として連続7日間行い、暗騒音より10デシベル以上大きい航空機騒音のピークレベル(計量単位 デシベル)及び航空機の機数を記録するものとする。

(2) 測定は、屋外で行うものとし、その測定点としては、当該地域の航空機騒音を代表すると認められる地点を選定するものとする。

(3) 測定時期としては、航空機の飛行状況及び風向等の気象条件を考慮して、測定点における航空機騒音を代表すると認められる時期を選定するものとする。

(4) 評価は(1)のピークレベル及び機数から次の算式により1日ごとの値(単位 WECPNL)を算出し、そのすべての値をパワー平均して行うものとする。

算式

dB(A)+10log10N-27

(注) dB(A)とは、1日のすべてのピークレベルをパワー平均したものをいい、Nとは、午前0時から午前7時までの間の航空機の機数をN、午前7時から午後7時までの間の航空機の機数をN、午後7時から午後10時までの航空機の機数をN、午後10時から午後12時までの間の航空機の機数をNとした場合における次により算出した値をいう。

N=N+3N+10(N+N

(5) 測定は、計量法(平成4年法律第51号)第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、周波数補正回路はA特性を、動特性は遅い動特性(SLOW)を用いることとする。

3  1の環境基準は、1日当たりの離着陸回数が10回以下の飛行場及び離島にある飛行場の周辺地域には適用しないものとする。

第2  達成期間等

1  環境基準は、公共用飛行場等の周辺地域においては、飛行場の区分ごとに次表の達成期間の欄に掲げる期間で達成され、又は維持されるものとする。この場合において、達成期間が5年をこえる地域においては、中間的に同表の改善目標の欄に掲げる目標を達成しつつ、段階的に環境基準が達成されるようにするものとする。

飛行場の区分 達成期間 改善目標
新設飛行場 直ちに




第三種空港及びこれに準ずるもの
第二種空港(福岡空港を除く。) 5年以内
10年以内 5年以内に、85WECPNL未満とすること又は85WECPNL以上の地域において屋内で65WECPNL以下とすること。
新東京国際空港
第一種空港(新東京国際空港を除く。)及び福岡空港 10年をこえる期間内に可及的速やかに 1  5年以内に、85WECPNL未満とすること又は85WECPNL以上の地域において屋内で65WECPNL以下とすること。
2  10年以内に、75WECPNL未満とすること又は75WECPNL以上の地域において屋内で60WECPNL以下とすること。

備考

1  既設飛行場の区分は、環境基準が定められた日における区分とする。

2  第二種空港のうち、Bとはターボジエツト発動機を有する航空機が定期航空運送事業として離着陸するものをいい、AとはBを除くものをいう。

3  達成期間の欄に掲げる期間及び各改善目標を達成するための期間は、環境基準が定められた日から起算する。

2  自衛隊等が使用する飛行場の周辺地域においては、平均的な離着陸回数及び機種並びに人家の密集度を勘案し、当該飛行場と類似の条件にある前項の表の飛行場の区分に準じて環境基準が達成され、又は維持されるように努めるものとする。

3  航空機騒音の防止のための施策を総合的に講じても、1の達成期間で環境基準を達成することが困難と考えられる地域においては、当該地域に引き続き居住を希望する者に対し家屋の防音工事等を行うことにより環境基準が達成された場合と同等の屋内環境が保持されるようにするとともに、極力環境基準の速やかな達成を期するものとする。