■建築研究資料

No.186号(2021(令和3年)5月)

「木造3階建て学校の火災安全〜実大火災実験〜」


成瀬友宏・鍵屋浩司・鈴木淳一・水上点睛・林 吉彦・萩原一郎・
仁井大策・長谷見雄二・安井 昇・加藤詞史・稲垣淳哉・加來千紘・堀 英祐・
板垣直行・石山 智・泉 潤一・小松弘昭・関真理子・蛇石貴宏・加来照彦・樋口祥一


国総研資料No. 970号
建築研究資料No.186号

国土技術政策総合研究所
国立研究開発法人建築研究所


    
<概要>
 建築基準法では、3階建て学校のような特殊建築物は、在館者の避難安全および公設消防による検索・救助の観点から、耐火建築物とすることが要求されてきた。公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成22年10月施行)では、二酸化炭素の排出削減および林業の持続的な発展のために、建築物における木材の利用を制限する基準を見直すための研究を促進することを定めている。このような背景のもとで、平成22年度から25年度にわたる4年間の研究プロジェクトが実施され、準耐火建築物に必要な措置を講ずることで、在館者の避難上および公設消防の検索・救助に支障がない耐火建築物と同等の水準が達成できるかどうかを検証するための実大火災実験を実施した。
 本成果をもとに、平成26年6月4日に改正建築基準法が公布され、平成27年6月1日より施行された。
 本資料では、実大火災実験により防火上の検討課題を明らかにし、その対策の有効性を確認することを主目的として以下の3回の実大火災実験を実施した結果を報告する。
 1回目の実大火災実験(予備実験)は、1時間準耐火構造の主要構造部として学校に適した仕様のうち基本的なものについて平成22、23年度に部材実験により防耐火性能を把握したもので構成した実験建物を用い、教室実験で木質内装の初期火災性状を把握した上で、木3学の避難安全・延焼防止・消火活動支援の観点からの課題を検出するため、平成23年度に予備実験として位置づける実大火災実験を実施した。
 2回目の実大火災実験(準備実験)は、予備実験により防火基準策定に向けた課題を抽出し、再び部材、教室規模実験により技術的な検討を進めて、平成24年度にその効果を検証するために実施した。
 3回目の実大火災実験(本実験)は、これらの結果に基づいて防火基準案を検討し、その妥当性を確認するために平成25年度に実施した。
 これらの3回の実大火災実験の結果から、火災初期における外壁開口部を通じた早期の上階延焼防止および防火壁による延焼防止に関する防火基準案の妥当性が確認された。



表紙      208KB
はじめに 146KB
中扉 273KB
目次 99KB
1.実験の概要 126KB
2.予備実験 26,006KB
3.準備実験 22,285KB
4.本実験 31,695KB
5.まとめ 123KB
参考文献 70KB
謝辞 206KB
奥付 154KB
全文 80,552KB


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