■建築研究資料

1978年2月20日宮城県沖地震による窓ガラスの破損に関する調査報告

建築研究所災害調査団

建築研究資料  No.23,  1978,  建設省建築研究所


<概要>

  本報は、1978年2月20日に発生した宮城県沖地震における窓ガラス被害の調査報告である。この地震では、宮城、岩手、山形各県において多くの建物の窓ガラスが破損した。仙台市では、破損したガラスの破片が路上に落下した。この様な事態は、大都市において以前から強い地震に際してのその危険性が指摘されていたことであり、特に注目をあつめた。
 建設省建築研究所では、地震の直後、上記の各地において、地震被害の調査を実施した。被害を受けた窓ガラスについては、その窓の種類、グレージング等を調べた。
 その結果、破損した窓ガラスのほとんどが、はめ殺し窓のものであり、かつ硬化性パテ止めのものであることが分った。ガラスの破壊モードには、(1)ひび割れはするが飛散しないもの (2)飛散するもの の2つがあった。飛散した窓ガラスの水平飛散距離は、地上で跳ねた距離も含めて落下高さの1/2以下であった。窓ガラスの破壊は、建物のどの位置にも大差なく起っており、窓ガラスの破壊し易さと、窓ガラスの位置との間には特別な関係はない様に思われた。
 また、主要構造部、家具等の被害が、いずれも軽微であったという事実から、はめ殺し窓のガラスの破壊は、壁の水平層間変位角が数百分の1程度で起ったと推測できる。調査の結果は、過去の強震で報告されている窓ガラス被害と比較検討された。


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