■建築研究資料

太陽熱温水器に作用する風力

岡田  恒

建築研究資料  No.45,  1983,  建設省建築研究所


<概要>

  我国では、近年太陽熱温水器が急速に普及しつつある。この太陽熱温水器は、一般に住宅の屋根の上に取り付けられる。本報は、屋根の上に取り付けられる太陽熱温水器に作用する風力を風洞実験によって求めた結果をとりまとめたものである。
  この実験では、風洞内に田園地帯に吹く風を再現したうえ、温水器の形状、取付形式および取付位置ならびに家屋の屋根勾配および階数を変数として、温水器の上面および下面に作用する平均風圧が測定された。この風圧およびその合力として得られる風力は、模型家屋の軒の高さの風の速度圧で無次元化して、それぞれ風圧係数および風力係数の形で整理されている。
  実験の結果、風圧係数および風力係数に関して以下のような定性的傾向が見出された。

  (1)温水器の上面および下面の風圧係数はおおむね負(吸引力)である。

  (2)風力係数は、風向が0°ないし90°の範囲では正(温水器を屋根面に押しつける
   方向の力に相当)であり、風向が90°ないし180°のときは負(温水器を屋根面
   から引き離す方向の力に相当)である。また、正および負の風力係数の絶対値は
   、それぞれ風向が45°および135°付近で最大になる。

  (3)正および負の風力係数の絶対値の最大値は、取付形式の違いの影響を最も強く
   受け、温水器形状、家屋の階数および取付位置の影響を受けることは少ない。


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