■建築研究資料

住宅用木製ドアの耐火性能実験

中村  賢一,   最上  浤二,   大江  恵一,   江戸  隆

建築研究資料  No.47,  1983,  建設省建築研究所


<概要>

  住宅の内部火災の延焼拡大を防止するには,壁,天井および開口部の防耐火性能を向上させ,これらによって各室を防火区画化する必要がある。ところが,各室間の開口部に取り付けるドア類で,防耐火性能があり,かつ住宅内部に使用する建具として実用的なものがないため,完全な防火区画化は現実には困難な状態にある。このようなことから,必要な防耐火性能を有するとともに,軽量で使い勝手がよく,また安価な住宅用ドアを開発し,製品化することが急がれている。
  本実験は,上記の要求に対応するため,住宅における防火ドアや開口部の防火工法の開発,およびこれらの性能評価方法の確立に資する情報を得るために行ったものであり,試作した木製防火ドアの標準耐火加熱試験の結果を中心に取りまとめたものである。
  試作した木製防火ドアの基本的構造は,木製骨組の両面に合板を張った一般的なものであり,合板の下に亜鉛鉄板箔を張ること,中空部へ不燃焼または難燃性断熱材を充てんすること,およびドアを取り付ける出入口枠回りの工法の改良によって防耐火性能を向上させた。試作した木製防火ドアとこれを取り付けた出入口部分の加熱試験を行い,これらの防耐火性能を主として遮炎性の点から評価した。その結果,上記のような方法を採用すれば,一般的な合板フラッシュドアでも,その厚さや重量の増大を招かずに,通常の内部火災に対して15〜20分間の延焼防止が可能であるとの結論を得た。


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