■建築研究資料

鉄鋼系プレハブ住宅用外壁パネルの耐火性能実験

中村  賢一,   最上  浤二,   大江  恵一,   大木  利文,   辻井  和敬

建築研究資料  No.55,  December  1985,  建設省建築研究所


<概要>

  本報告書は,試作した鉄鋼系プレハブ住宅用外壁パネルの耐火試験の結果をとりまとめたものである。現在,一般的に用いられている外壁パネルは,鉄骨フレームの上に合板,パーティクルボードなどの木質ボードを取り付け,さらにその上に不燃焼ボードを取り付けたものである。このようなパネルは,不燃焼ボードの取り付けを釘によって容易に行うことができるという施工上の利点をもつ一方で,火災時には,木質ボードの焼損によって長時間の耐火性能を期待することができないという欠点ももっている。
  試作した外壁パネルは,鉄骨フレームの上に無機質断熱材(ロックウール保温板またはグラスウール保温板)を取り付け,その上に不燃焼ボードを取り付けたもので,可燃性材料を一切用いてないため,高い耐火性能を期待することができる。
  この外壁パネルは,断熱材と不燃性ボードの材質,厚さを変えて各種試作し,それぞれについてJIS−A1304に規定される標準加熱試験を行い,鉄骨フレームの温度を測定した。
  現行規定による鋼構造耐力壁の許容鋼材温度(最高温度500℃,平均温度400℃)に基づいて求めた耐火時間によって,各パネルの耐火性能を評価した。その結果,断熱材にロックウール保温板(厚さ20〜40mm)を,また不燃性ボードに石綿けい酸カルシウム板(厚さ8〜10mm)を用いたパネルの耐火時間は,50〜80分であった。
  石綿けい酸カルシウム板の代わりに石こうボード(厚さ12mm)を用いたパネルの耐火時間は,断熱材がロックウール保温板(厚さ20〜40mm)の場合は45〜60分,断熱材がグラスウール保温板(厚さ20〜40mm)の場合は33〜38であった。


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