■建築研究報告

セメントモルタル板の振動成型について

栗山  寛

建築研究報告  No.12,  昭和29年2月


<概要>
  セメントモルタルを板状成型する一方法として振動成型法がある。振動成型は單に振動だけを興えて型詰する方法と振動と同時に載荷して型詰する方法とに分けられてるが後者の方が有利と思われる。前者の場合の実験結果の一部は既に報告済である。この結果を要約すると次の如くである。

  適当な水セメント比をもつセメントモルタルを型枠に入れて適当な振動時間を興えて振動詰を行えばセメントモルタルは密実になって板の曲げ強さやその他の性能が向上するが、原料の品質や振動條件其の他影響する事項が多い。一定材料を用いた4種類の調合比のセメントモルタルを一定の振動機、(振動数5500回/秒、振幅0.5o)を以て同一型詰方法によって成型した場合、板の曲げ強さが最も大きくなるものの水セメント比と所要振動時間並びに曲げ強さは1表のような結果を得た。

Table1

  而して板の曲げ強さが大きいところでは、板の比重も大きく、吸水率は小さくなった。
  尚、振動板、振幅、原料品質、型詰方法等の影響は今後の研究にまつところである。
  今回は載荷振動によって成型した板の性能を試験し、無載荷の場合と比較して報告する。

  本実験には助手石神武男、同中田進康及び日本大学々生石黒勝の3君が協力された。又研究費の一部は文部省科学試験研究費に仰いだ、記して謝意を表する。

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