■建築研究報告

計画の構造と手法

青木  義次

建築研究報告  No.80,1977  建設省建築研究所


<概要>

  いま建築生産の技術に関して、物理的な技術とそれを支える工学体系が貧困であるということが問題とされているのではない。むしろこうした技術を建築特有の現場という状況の中で実現していくという過程で生じる様々な、どちらかといえば既存の工学体系ではとらえにくい問題に対する方法の貧困が問題なのである。
  この研究はこうした点に対応すべく建築生産技術の計画手法を総合的かつ効果的に応用しうるために、計画過程の統一的な把握とそこで使われる評価選択の方法を確立することを目的として始められたものである。
  しかし、こうした計画の総合的問題においてより本質的な点は、従来の建築の学問体系の中では意識的にせよ無意識的にせよ除外されてきたといえよう。いかなるものを創るかという研究はなされてきたのに反して、いかに、どのような手段でどのような人達によって創るかという点に関しては充分な研究がなされていたとはいえない。それは建築の現場で直観的に考えられるべきものであり、工学の問題ではないとされることもあった。このような点に関する研究の立ち遅れに理由がないわけではない。というのはこれらの問題については建築の問題ばかりでなく、社会学的なあるいは経済学的な問題を内在しているという困難があったからである。
  従って、ここでは建築の問題という枠の中だけで問題を定式化せずに、より広い視点からこの問題を扱うことになろう。そのため研究の展開の途上においては、抽象的な取り扱いや、数学的な取り扱いが行われることもある。すなわち、より一般的な視点から我々の問題を整理することによって、具体的な建築の問題、さらにそれに対する計画の手法を体系づけ、より現象的な問題にとりくもうと試みるものである。



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