建築研究所講演会


平成22年度、建築研究所講演会は終了いたしました


 建築研究所講演会は、年に一度(毎年3月)、建築研究所の研究成果や調査活動の報告を通して、最新の技術情報を広く一般の方々に提供するために開催しているものです。今回は、テーマを「日本の建築力を支える 建研の研究」とし、平成23年3月4日(金)に有楽町・朝日ホールにおいて開催いたします。

日本の建築力を支える
− 建研の研究 −


日時:平成23年3月4日(金) 午前 9時40分開場/10時開演

場所:有楽町朝日ホール (有楽町マリオン 11階)
    東京都千代田区有楽町2−5−1

入場料:無料(事前登録不要。もれなく講演会テキストを配布。)


 ■プログラム
10:00〜 開会
 
10:05〜 建研の研究 日本の建築力を支える
建築研究所 理事長 村上 周三
10:20〜 最近の世界的な大地震・大津波への対応と国際協力
国際地震工学センター長 安藤 尚一
10:50〜 LCCM住宅に関する研究開発と普及
環境研究グループ 上席研究員 桑沢 保夫
11:20〜 伝統的木造住宅の耐震性能に関する研究開発
構造研究グループ 上席研究員 河合 直人
11:50〜

パネル展示の紹介

 
12:20〜

昼休み パネル展示(9課題)

 
13:15〜 既存建築物の再生・活用(その1)
  〜設計者・ユーザーのニーズと建物を長く使うための技術開発〜
材料研究グループ 主任研究員 濱崎 仁
13:45〜

既存建築物の再生・活用(その2)
 〜空間拡大における構造上の課題とそれを解決するための技術開発〜

構造研究グループ 上席研究員 福山 洋
14:15〜 人口減少下における街なか居住の実現に向けて
住宅・都市研究グループ 主任研究員 藤本 秀一
14:45〜

休憩

 
15:00〜

特別講演『生きた建築をつくるために』

建築家 伊東 豊雄 氏
16:30〜

終了予定

 

特別講演 伊東豊雄
 
■各プログラムの概要
最近の世界的な大地震・大津波への対応と国際協力

最近の世界的な大地震・大津波の例にみられますように、都市やその近郊での地震は人間の生命や財産に甚大な被害をもたらします。建築研究所の国際地震工学センターでは、我が国が有する地震観測や建物の耐震安全性を向上させる技術を国際的に普及させるため、JICA の支援を得て、開発途上国の技術者等に対して、一年間の研修(国際地震工学研修)を英語で実施しています。
本講演では、近年の世界的な大地震や大津波の被害状況とその原因を概括したうえで、国際地震工学研修の修了生を含む現地の専門家が、これら災害にどのように対応しているのか、またどのようにすれば今後そのような被害を防げるのかについて、事例をもってご紹介します。
LCCM住宅に関する研究開発と普及

「新成長戦略」(平成22 年6 月18 日閣議決定)では、我が国の低炭素化に向けた長期目標として、2020 年に温室効果ガスを1990 年比で25%削減と掲げています。国土交通省においても、これに呼応して、新築住宅・建築物すべてを省エネ化することを目指して、省エネ基準の運用強化を図る検討をしており、建築研究所においても省エネ基準の策定に必要な技術的知見を得るための研究を開始しております。
本講演では、このような低炭素社会に向けた動向と、今後の省エネ基準の運用強化にあたり、推奨的な基準として期待される先導的なモデルとなるLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅に関する研究開発をご紹介いたします。
伝統的木造住宅の耐震性能に関する研究開発

伝統的な木造建築物は、その地域で取れる木材や土等を材料として、有効に建設・維持され、森林の育成と建築の生産が循環的になされたサステナブルな建築であります。また、地域に育まれた文化の継承において意義を有するとともに、住宅の工業化がなされた今日にあって、作り手と住まい手のつながりも見える建築としても認識されています。
しかし、伝統的木造建築物の耐震性に関しては、研究が盛んであるものの、いまだ不明な点も多く、設計実務に生かせるような資料は不十分な状況にあります。本講演では、このような伝統的木造建築物を対象に工学的な耐震性能評価を可能にする技術資料を蓄積するために行っている建築研究所の研究開発を紹介いたします。
既存建築物の再生・活用(その1)
 〜設計者・ユーザーのニーズと建物を長く使うための技術開発〜


地球環境の保護や低経済成長期を迎え、高度経済成長期に大量供給された住宅ストックについても長く使用していくために、量から質への転換を図り、耐久性や安全性を確保した上で、ユーザーのニーズに適った建物に再生していくことが求められております。
本講演では、このような必要性を踏まえ、高度経済成長期に建設された鉄筋コンクリート造の集合住宅を対象に、再生・活用する際に検討対象となる事項として、空間規模(狭い住戸規模、低い天井高)、躯体寸法(遮音性が不足したスラブ厚)、材料の耐久性(コンクリートの中性化、鉄筋腐食)、構造安全性(新耐震基準前の建築)、設備(埋め込み配管)を掲げ、これらについて建築研究所が実施した対策技術の研究開発を紹介いたし ます。
既存建築物の再生・活用(その2)
 〜空間拡大における構造上の課題とそれを解決するための技術開発〜


地球温暖化をはじめとするさまざまな環境問題が指摘される現在、建て替えにより新たな住空間を再生していくという方針の転換が求められ、少なくとも既存建築物を生かし、その改造により新たな住空間を構築するという考え方も併用していくことの必要性が認識されるようになってきております。
本講演では、このような必要性を踏まえ、改修を行う際にも改造前の元の建築物の構造性能を維持できるような技術として、建築研究所が開発した「梁せい低減のための補強技術」「壁開口設置のための補強技術」「梁貫通孔設置のための補強技術」および「床のたわみ・振動性状の改善技術」について紹介いたします。
人口減少下における街なか居住の実現に向けて

高齢社会に進展にともない、歩いて暮らせる市街地での居住(街なか居住)のニーズが高くなっていますが、特に地方都市の中心市街地では空き地や駐車場等の低未利用地が多くなる一方、中高層マンションも散発的に建設され、街並み景観の破壊を引き起こして問題化している例もみられます。
本講演では、社会構造の変化に対応し、地域特性を踏まえた住まい・まちづくり手法や街なか居住の実現方策として、建築研究所が鳥取市の中心市街地を対象に、定期借地権を活用した低層設置型住宅の事業モデルを提案し、シミュレーションによりその事業モデルの可能性を精査した研究開発を紹介いたします。

  ■過去の講演会のプログラムはこちらよりご覧頂けます
主催・問い合わせ先

 (独)建築研究所 企画部企画調査課
 TEL:029-879-0638
 URL:http://www.kenken.go.jp/

※チラシ(PDF/460 KB)はこちらからダウンロード頂けます



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