木造住宅の耐震補強構法技術コンペ
主催 独立行政法人 建築研究所 後援 国土交通省、住宅金融公庫
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阪神大震災では、10万棟を超える木造住宅が全半壊し、死者の8割以上が住宅の倒壊による圧死でした。既存の木造住宅の中には地震に対する抵抗性能が十分とはいえないものも数多くあり、一説には現行の建築基準法で要求しているレベルに達していない住宅が7割を占めるともいわれています。昨今、南関東、東海沖また中部沿岸地域などで大地震の発生が懸念されるなか、安心して安全な木造住宅に継続して住むためには、適切な耐震診断のもと、耐震補強を促進することが急務です。しかし、費用の問題や具体的で良質な補強構法に関する情報が乏しく、個人の住宅の耐震補強は進んでいないのが現状です。
このため、独立行政法人建築研究所では国民が安心して生活できるよう、補強により既存木造住宅の耐震性能を向上させる方法をまとめた技術マニュアルを整備し、出版、公開することにより、実際にその技術を普及していくことを考えています。
この技術マニュアルには、耐震補強の必要性の判定方法や判定結果に対応した具体的な耐震補強方法、補強された建物の耐震性能の評価方法などがまとめられる予定です。さらに普及についてはマニュアルを解説書として出版するとともに、関係機関と協力のもと、技術講習会の開催や施工現場の公開なども考えています。
本技術コンペはマニュアルに掲載する優れた耐震補強方法を、広く一般から募集するために計画いたしました。コンペでは、建築研究所より耐震性能の基本的ないくつかの評価方法を示しますので、それにもとづき提案者はそれぞれの補強の特性に応じた性能を提示していただきます。そして、それを審査することにより優秀な提案を選出致します。
さらに、今回建築研究所から示した性能評価方法では十分に性能を評価し得ない提案のうち優秀と思われる提案については、技術コンペ終了後に建築研究所の共同研究制度等を活用し、実験や解析等を通じて性能を検証する方途も用意しております。このことにより、建築物の耐震改修の促進に関する法律告示2089号の第1号ただし書きの規定に基づく認定などの、法的な位置づけのある評価法の作成を目指し検討を進めることが可能となります。
1)募集の対象
□ 既存木造住宅の耐震性能向上を目的とした
・
建物全体を補強する構法
・
部分的な補強構法、ただし、建物全体の補強効果が評価可能なもの
を対象とします。
2)応募資格
□ どなたでも応募できます。個人、企業・団体のいずれであってもかまいません。資格などは問いません。お一人で複数の提案も受け付けます。
3)提案の方法
□ 課題住宅(2階建て、瓦屋根)に対する耐震補強構法の提案とします。
□ 所定の応募記入表に必要事項を記入し、補強方法の性能を確認した根拠書類とともに応募送付先へ郵送してください。
□ 実施事例がある場合にはそれらの資料、写真等も添付してください。
□ Eメール、持ち込みによる提出も受け付けます。
1)以下の学識経験者、構造技術者、有識者、民間団体代表者、自治体代表者らで構成された「木造住宅の耐震補強構法技術コンペ審査委員会」により審査をおこないます。
委員長 東京大学 教授 有馬孝礼
委 員 東京大学 教授 坂本 功
国土交通省住宅局建築指導課 建築物防災対策室長 後藤隆之
静岡県都市住宅部 建築住宅総室長 近藤昌利
(社)日本建築構造技術者協会
耐震診断・補強委員会木造WG主査 白石 梢
(社)日本建築士事務所協会連合会
(社)東京都建築士事務所協会会員 角本忠敬
全国建設労働組合総連合 住宅対策部長 笹田己由
(社)全国中小建築工事業団体連合会 副会長 青木宏之
(財)日本建築防災協会 専務理事 今泉 晋
フリーアナウンサー 青山佳世
住宅金融公庫 住宅産業部参事役 春川真一
独立行政法人建築研究所 理事長 山内泰之
2)審査は耐震補強効果、コスト、施工性、美観、その他を総合的に判断しておこないます。
3)応募者には審査の結果を文書にて通知します。また、「提案名称」「提案概要」 等を内容とする提出提案一覧および審査の経緯を平成14年12月にHP上で公開する予定です。
4)応募のあった提案の中で特に優秀なものについては、後援団体より以下の賞を付与します。
国土交通大臣賞 1件 (副賞 10万円)
住宅金融公庫総裁賞 1件 (副賞 10万円)
建築研究所理事長賞 1件 (副賞 10万円)
優秀賞 数件 (副賞 5万円)
□
公募の発表 平成14年7月1日
□
公募に関する問い合わせ 募集要項発表の日〜平成14年9月15日
□
応募図書受付期限 平成14年9月30日(当日消印有効)
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審査結果発表 平成14年12月
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表彰式 平成15年1月
□
マニュアル等の出版 平成15年6月頃
1)提出先
〒305−0802 つくば市立原1 独立行政法人建築研究所構造研究
グループ 木造住宅の耐震補強構法技術コンペ係
2)応募図書受理の確認
応募図書を受理した場合には、直ちに「受領証」を返送します。応募図書を送付した後、10日が過ぎても「受領証」が届かないときには、お問い合わせください。
3)提出された応募図書は返却いたしません。
□ 既に発表された構法、耐震改修方法も応募可とします。
□ 応募内容に関する知的財産権は応募者にあります。必要な場合の権利保護等は応募者自身がおこなってください。
□ 他者の知的財産権を侵害する疑のある場合は、発表後でも受賞を取り消すことがあります。
□ 虚偽の申請があった場合は、発表後であっても受賞を取り消します。また、虚偽の申請による係争について、当所は一切責任を負いません。
□ 優れた作品については、当所が出版を予定している耐震補強マニュアルで紹介しますので、ご協力をお願いすることがあります。
□ 優秀であるが性能を的確に求めることができないために選に漏れた提案については、共同研究制度等を利用する事により、実験や解析等を通じて性能を検証する方途も用意しております。この場合、共同研究等をおこなう提案についての知的財産権は、別途協議するものとします。
□ コンペ・受領に関する質問をEメールで受け付けます。また、質問に対する回答のうち応募者に共通すると思われる質問と回答はホームページに掲載いたします。
□ 問い合わせ先 E-mail mailto:w-taisin@kenken.go.jp
木造住宅の耐震補強構法技術コンペ係